
発酵コラム 23
世界の発酵パン「インジェラ」
エチオピアで親しまれる
もちっと酸っぱいパン
みなさんは「インジェラ」をご存知ですか?
インジェラは、エチオピアやエリトリアで古くから親しまれている主食です。
見た目は大きなクレープのようですが、表面には小さな穴がたくさん開き、スポンジのような独特の食感があります。
主な材料は「テフ」という穀物。水と混ぜた生地を数日間発酵させてから焼き上げます。発酵によって生まれる爽やかな酸味が特徴で、カレーや煮込み料理などをのせ、手でちぎって具材を包みながら食べるのが一般的です。
エチオピアの食卓に欠かせない日々の食事に寄り添う伝統的な発酵食品です。
世界を見渡すと、その土地の気候や食文化に合わせて、さまざまな発酵食品が受け継がれています。インジェラもまた、長い年月をかけて育まれてきた、地域ならではの発酵の知恵なのです。
インジェラの特徴は、なんといっても発酵による酸味。
乳酸菌などの働きによって生まれる酸味は、日本の発酵食品とはまた違った味わい。初めて食べる方には少し驚きがあるかもしれませんが、現地では料理の味を引き立てる大切な存在として親しまれています。
日本では、本場で使われるテフを手に入れることが難しいため、米粉やそば粉などを使ったアレンジや発酵による酸味をヨーグルトを加えて表現する方法もあるようです。
ただ、本格的なインジェラは酸味が強く、独特の風味があるため、日本人には少し玄人向けに感じることも...。だからこそ、遠い国の食文化に触れる楽しさがあります。
発酵食品は、土地の環境や暮らしの中で生まれた知恵の結晶。日本の発酵食品とはひと味違う、世界の発酵文化。
いつか本場のインジェラを味わいながら、その土地の食卓や暮らしに触れてみたいですね。


