発酵コラム 7

麹甘酒

お腹にやさしい
ナチュラルな栄養ドリンク

甘酒は古くから日本で飲まれている発酵飲料です。
奈良時代に編纂された「日本書紀」に記される「天甜酒」(あまのたむざけ)が甘酒の原型とされ、 日本神話に登場する「木花咲耶姫」(コノハナサクヤヒメ)が懐妊したことを祝って醸したお酒なのだそうです。

江戸時代には庶民の間で麹甘酒が日常的に飲まれるようになり、甘酒売りが市内を売り歩いていました。
江戸では特に夏場の夏バテ予防や疲労回復の飲みものとして重宝され、「甘酒」が夏の季語となっているほどです。
その後、生活様式の変化とともに日常で飲まれることは少なくなり、行事でふるまわれるものへと変化していきました。
お正月に飲むもの、として認識していた方も多いのではないでしょうか。

そして長い時を経て、また甘酒の力が見直され、ブームを経て定着しつつあります。

甘酒には米麹から作られた「麹甘酒」と酒粕と砂糖で作った「酒粕甘酒」があり、特に最近人気なのは「麹甘酒」ですね。

米麹と水だけ(さらに米が入る場合もある)で作られた甘酒は、お米の甘みのみで糖類が入らないことが特徴。
甘みであるブドウ糖は胃腸に負担がかかりにくく、素早くエネルギーに変換されます。
ブドウ糖は、脳のエネルギー源なので、集中力や記憶力を必要とするお仕事をされる方にもおすすめ。
将棋の棋士の対局に出る「おやつ」がよく話題になりますが、麹甘酒はぴったりのおやつと言えますね。

また、麹甘酒に多く含まれる必須アミノ酸は、髪や肌を作る元となり、ビタミンB群はタンパク質や脂質をエネルギーに変える手助けをします。
ビタミンB群は水溶性なので、毎日摂ることが必要です。
麹甘酒を毎日の習慣にすると、いいことがあるかもしれませんよ。

その他の発酵コラム