発酵コラム 8

藍染め

発酵によって現れる”あお”

藍染めは、日本の伝統的な染物です。
「日本の植物学の父」と呼ばれる植物学者の牧野富太郎によると、藍はとても古くに日本に伝わった植物とのことですが、いつ頃かははっきりしないようです。
室町時代から江戸時代にかけて藍染めは盛んに行われ、江戸時代には「紺屋」と呼ばれる染物屋が日本中にありました。
明治初頭に来日した英国人が、街にあふれる藍色を見て「ジャパン・ブルー」と表したとおり、藍染めは昔から日本に深く根付いた文化でした。

もちろん、藍染めは世界中で行われています。
代表的なものといえば「デニム」でしょう。
ジーンズなどの青い色も元々は藍染めで、虫よけや蛇よけの効果もあったとか。
現代では、合成インディゴが使われることがほとんどなので、そういった効果はないようですが、作業着として理にかなっていたのですね。

藍染めに使用される植物には、「インディゴ(インジカン)」という色素が含まれていて、それが独特の青い色を生み出します。
ただ、この成分は水に溶けださず、発酵によって取り出す必要があります。
化学製品を使わずに染める方法は、「天然藍灰汁発酵建て」と呼ばれ、とても手間のかかる染物です。
タデ藍を天日で乾燥させ、俵などに詰めて寝かせて攪拌したり水打ちをしたりしながら、3ヶ月ほどかけて発酵・熟成させ「すくも」を作ります。 できた「すくも」を、藍甕(あいがめ)に入れて、灰汁や微生物による自然発酵を促し、染液を作ります。

そこからようやく染めの工程です。
何度も染液に浸けては天日で干すを繰り返し、水色からしっかりと濃い色まで、好みの色に染め上げます。
このように染めた藍染めは、他の草木染に比べて色落ちしにくく、鮮やかな色に染め上がります。

今ではなかなかお目にかかれない藍染め。
手にする機会があれば、発酵の力に思いを馳せてみてください。

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