発酵コラム 3
酒粕
酒の「かす」だけど
旨味と栄養が豊富に残る、日本酒の副産物。
日本酒は、「米麹」「酒母」「蒸米」を合わせて仕込み、発酵させることで、日本酒の元となる醪(もろみ)をつくります。
醪は白く濁った状態(いわゆるドブロク)で、固形分を濾して透明な「清酒」になります。
あとに残った固形物こそが酒粕。
まさに「酒」の「かす」なのですが、酵母のたんぱく質やビタミンBやミネラルなど、旨味も栄養もたっぷりの発酵食品として古くから日本で親しまれています。
今のような圧搾された板状の粕が出回るようになったのは江戸時代からで、酒造りも現代に近いものとなり、
全国でお酒を作って売ることを生業とする酒蔵が広がっていきました。
杜氏と呼ばれる人が酒造りのリーダーとなり、春から夏にかけて稲作、冬には蔵人を連れて酒蔵で酒を作る…そんな制度が生まれたのもこの頃です。
酒粕は、お酒の種類によって味わいも栄養素も変わります。
精米歩合の低い酒の粕はややクセがありますが、栄養素がたっぷり残り健康と美容におすすめ。
酒粕の効能を求めるなら、だんぜんこちら。
精米歩合の高い酒の粕は、ふわっとフルーティな香りがし、華やかな味になります。
クセが少なく上品な味なので、酒粕が苦手な方はぜひこちらを食べてみてください。
お味噌汁に入れるのが定番ですが、魚や肉の粕漬けもおいしい。
グラタンやクリームシチューなどに入れても相性がいいんですよ。
担々麺やキムチ鍋にもちょい足しすると、寒い日にはさらに体が温まります。