発酵コラム 15

紅茶と発酵

酵素発酵で開く優雅な色と香り

緑茶、紅茶、ウーロン茶などお茶には色々な種類がありますが、すべて「茶の木」という植物を原料としています。
様々な品種があり、品種によって味わいは変わりますが、お茶の種類を分けるのは製法の違いです。
「不発酵茶」と呼ばれるのは緑茶などで、鮮やかなグリーンとフレッシュな味わいが特徴。 名前の通り発酵させず、蒸したり炒ったりして初めから発酵を止めて作ります。
半発酵茶はウーロン茶などで、途中で発酵を止めて独特の風味を保ちます。
長時間発酵させる発酵茶は紅茶。
お茶の発酵は酵素発酵なので微生物が行う発酵とは違うものなのですが、微生物発酵を用いたお茶もあり「後発酵茶」と呼ばれます。
紅茶は、茶葉を摘み取ったあと、薄く広げて15~20時間陰干しにし水分を飛ばします。 揉捻機にかけて揉み、細胞を砕いて発酵をうながしてから25℃程度の湿度の高いところで発酵。
発酵させると茶葉は美しい赤褐色に変化し、紅茶独特の香りを放ちます。 発酵後に乾燥機にかけ、ふるいにかけたらできあがりです。

コーヒーに押されている紅茶ですが、最近はアフタヌーンティーが人気で、「ヌン活」とも呼ばれますね。
正式には、午後3時から午後5時頃がアフタヌーンティーの時間とされています。 昔、貴族の朝食が遅めで昼と兼用なため、午後20時頃からの夕食までの空腹を満たすものだったのだそうです。
3段のティースタンドには、下段からサンドウィッチ、スコーン、ペストリーの順で置かれ、下段から食べるのが正式。
小さいサンドイッチは手でつまみ、スコーンも手で割って割れ目にクロテッドクリームとジャムをたっぷりとぬっていただきます。

色々と作法があるようですが、日本ではもっと自由に、マナーを気にせず食べられるところも多いようですよ。
アフタヌーンティーよりシンプルな、クリームティと呼ばれるスコーンと紅茶を頂く習慣もあるので、たまには専門店で優雅な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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